· 

なぜ髪を濡らしてカットするの?

突然ですが、皆さんはこう思ったことはありませんか?

 

--シャンプーの後濡れたままカットするのはどうしてだろう?--

--乾いている時の元々のクセをわかってくれているのかな?--

 

この「髪を濡らして切る」ことには実はちゃんとした理由があるんです。

今日はその理由についてお話をします。

 

◆まずは髪の構造の話

髪の毛は4つのつながりからできています。普通の状態では鎖のようにつながった

4つのつながりも、ある条件を満たす毎に切れて脆くなって行ってしまうのです。

専門用語でいうと「ペプチド結合」「S-S結合(シスチン結合)」「イオン結合」「水素結合」

この中で1番弱い結合が「水素結合」なんです。髪を濡らした状態にすると結びつきが切れ、

ドライするとまたつながります。

ドライヤーでカールを作ったり、ストレートになったり、ブローで形が作れるのはこの

「水素結合」のおかげなんです。

次に強い結合が「イオン結合」です。髪が傷んでペーハー(PH)バランスが崩れると、結びつきが切れる

結合です。ちなみにペーハー(PH)とは、アルカリ性、酸性、中性を表すものさしです。

よく言われる弱酸性がPH4.5〜5.5で髪のイオンが最も安定した状態です。

次に強い結合が「シスチン結合」です。この結合を利用するのがパーマなんです。

1剤で結びつきが切れて2剤でつながります。パーマは2つの薬をつけるのはこのためなんです。

そして「ペプチド結合」なんですがこれは髪の命の結合なんです。これが切れてしまったら二度と

元には戻りません。ダメージが進んでいって極限の状態でこの結合が切れてしまいます。

そうなってしまうと髪は切れたりしていってしまいます。

 

◆濡らして切る理由

髪が濡れている状態というのは、水素結合が切れている状態というのは上でお話しましたね。

ではこの状態がどういう状態なのかというと、ドライの時に比べて髪が柔らかい状態なんです。

その分、カットをする時に少ない力で切れるので、髪の負担を減らしてあげることができるのです。

でも、濡れた状態だと髪のクセが伸びてしまって、仕上がりの状態がわかりづらいですよね?

なので髪を切った後に乾かしてクセがある状態でもう一度ハサミを入れているのです。

ドライの状態で、一人一人にあった微調整のカットをしているのです。

ちなみに濡らして切った後に乾かすと思っていたより短くなるのは、この「水素結合」が

関係しているためなんです。濡れて柔らかくなった髪がドライの時よりも伸びやすくなっているために

この現象が起こるのです。

 

◆まとめ

いかがでしたでしょうか?美容院で普段何気なくしてくれることには全て理由があるのです。

でも、その全てはその人の髪の毛のことをしっかり考えてのことなんです。

なので何気ない疑問などでもちょっと美容師さんに聞いてみると、結構深いお話が聞けたり

するかもしれませんよ。

それでは、また。